エストロゲン

エストロゲンについて

■ エストロゲンは女性らしさの象徴

エストロゲン(estorogen)とは、女性ホルモンのひとつで卵胞ホルモン(発情ホルモン)とも呼ばれ排卵の準備をするホルモンで,エストラジオール,エストロン,エストリオール(E3/estriol)の3種が知られています。
エストロゲンは、月経の終わりごろから排卵前にかけて分泌が高まり、女性の性活動や二次性徴を促進する働きがあります。

■ エストロゲンの主要な機能

 

エストロゲンは40代後半ごろから(更年期以降)分泌が急激に減少し始め、抑うつ感やイライラ、不眠、頭痛、倦怠感など様々な更年期症状の原因となります。 また、エストロゲンの欠乏が長期化すると、骨粗鬆症や動脈硬化症、高血圧症などが生じると考えられています。 更年期症状は、ホルモン補充療法でエストロゲンを補給すると緩和されますが、頭痛、吐き気、膣の出血、胸部の衰えなどの副作用がでることもあり、乳ガンと子宮ガンを引き起こす危険性があります。 なのでホルモン補充療法に替わるものとして大豆イソフラボンなどの植物性エストロゲンが期待されています。 また、エストロゲンは、子宮壁を厚くして妊娠準備をする女性ホルモンですが、同時に女性らしい丸みのある体つきや肌のうるおいを保ち、コラーゲンの再生能力を高めるなど、女性の美しさを支える働きもあります。 エストロゲンには、肌をしっとりつやつやにしてくれたり髪にこしやつやを与えたりするほか、豊胸作用、精神運動の活発化、コレストロール増加の防止など、さまざまな美容効果があります。 エストロゲンの分泌が減少しはじめるときに、効果的にエストロゲンを補給すれば、老化を食い止め、美しい体を維持する事が出来ると言われています。

〔更年期症状とは?〕

更年期とは、医学的には<卵巣の機能が低下し始め、最終的にその機能が停止する時期>とされており、一般的には、エストロゲンの分泌量が減少する<閉経前後>と認識されています。 40代後半から50代半ばごろまでの10年間に閉経を迎える人が多いようです。 この時期になると多くの人が、抑うつ感やイライラ、不眠、頭痛、倦怠感、ホットフラッシュ(ほてり)などの心身の不調を訴えるようになります(更年期の女性の6〜7割程度)。 このような症状のうち、<一般的な診察や検査所見では異常が見つからない自律神経失調症を中心とした不安定な症状>が更年期症状(更年期症候群あるいは更年期不定愁訴)とされ、治療が必要なほど重い症状を更年期障害と言われています(更年期の女性の2割程度)。 狭義では更年期障害と言えば更年期症状を指します。 更年期症状は、エストロゲン分泌量の減少だけが原因ではありません。 最近では、原因には個人差があり、様々な要因があると考えられています。 主に【身体的要因】【心理的要因】【環境的要因】の3つの要因があり、それぞれの要因が複雑にからみあって更年期症状を引き起こします。

【身体的要因】

エストロゲン分泌量の減少によってホルモンのバランスが崩れることや、加齢による身体機能の低下などが、自律神経などの神経系や内臓器官のスムーズな機能を阻害します。

【心理的要因】

ストレスに対する抵抗力の低さ、くよくよしがちな性格、更年期についてのイメージの悪さなども原因の一つになります。

【環境的要因】

家族や職場での人間関係の変化に対する対応力の低さ、更年期についての周囲の理解不足なども原因の一つになることもあります。
また、不規則な生活やストレスの増加、過激なダイエットなどで、20代でも更年期症状に似た症状を訴える人もいます。

 

植物性エストロゲンとは?

 

疫学的には日本と北欧は米国などと比較して、乳がんの罹患率がかなり低く、また女性の更年期症状が軽いということが指摘されています。 このことからエストロゲンに似た構造を持ち、エストロゲン作用を持つ物質が大豆や亜麻の種子に豊富に含まれていることが明らかになりました。 この物質が植物性エストロゲン(phytoestrogen,フィトエストロゲン)なのです。植物性エストロゲンは厳密には野菜(大豆、山芋、エンドウマメ、ガウクルア、ザクロ、プラム、アルファルファの新芽、ブロッコリー、パセリ、セージ、セロリ、フェンネル、など)に含まれるエストロゲン作用を持つ物質のことで、化学的にはイソフラボン類(isoflavonoids)とリグナン類(lignans)に属します。イソフラボン類はポリフェノール(polyphenol;植物に含まれる色素成分の総称)の一種であるフラボノイド(flavonoid)の一種で、人体への有用性が確認されているイソフラボン類は数十種類と言われ、植物性エストロゲン様物質として代表的なものに、ダイゼイン(daidzein)やゲニステイン(genistein)があります。リグナン類もポリフェノールの一種です(リグナン類はフラボノイドの一種ではありません)。リグナン類は十種類知られています。

 

イソフラボン類は、マメ科の植物、その中でもエンドウ亜科に偏在しており、食品で言えば大豆および大豆食品に多く含まれています。リグナン類は、様々な植物に含まれていますが、特に、亜麻仁油をとる亜麻の種子(フラックスシード)に豊富に含まれています。

これまでに少なくとも20種類の植物性エストロゲンが発見されています。 なお、植物性エストロゲンに対して、女性ホルモンであるところのエストロゲンを動物性エストロゲンと呼ぶこともあります。

〔植物性エストロゲンの作用〕

生物の細胞は、すべからく外界や体内からの何らかの変化を刺激として受け入れ、反応を起こす性質を持っています。 このとき、刺激を受け入れる細胞または器官を受容体(receptor,レセプター)と言い、反抗を起こす細胞または器官を作動体と言います。 この受容体は体内に多種類存在し、その種類によって結合する物質が異なります。 女性ホルモンであるエストロゲンの作用を受ける細胞には、エストロゲンと結合するエストロゲン受容体(estrogen receptor,エストロゲンレセプター)が含まれています。植物性エストロゲンは、その構造が女性ホルモンのエストロゲンと似ているため、このエストロゲン受容体と結合します。

植物性エストロゲンの作用は女性ホルモンのエストロゲンの作用より非常に弱いため(1000分の1)、エストロゲンの分泌が少なすぎる場合には全体的にエストロゲンの効果が高まります。逆に、エストロゲンの分泌が多すぎる場合(たとえば排卵直前の状態)には全体的にエストロゲンの影響が少なくなります。 つまり、更年期症状や生理不順を抱える人や骨粗しょう症である人が植物性エストロゲンを摂取すると、その症状を緩和できる効果が期待できます。

また、乳がんや動脈硬化、アルツハイマー病の予防、骨密度低下の抑制も期待できます。 逆に、普通に月経がある人が植物性エストロゲンを大量に摂取し過ぎると月経異常が起こる可能性があります。

また、エストロゲン依存性の乳ガンや子宮内膜ガンや子宮筋腫の罹患者が治療で抗エストロゲン剤を使用している場合には植物性エストロゲンを大量に摂取し過ぎる弊害が指摘されています。

このように、植物性エストロゲンには女性ホルモンのエストロゲンを調整する作用があります。

 

エストロゲンはいろんな仲間がいる!

〔大豆イソフラボン〕

植物中のイソフラボンは、そのほとんどが糖と結合した配糖体(glycosides)として存在しています。このようなイソフラボンをグリコシド型と言います。 一方糖と結合していないイソフラボンをアグリコン型と言います。
アグリコン型イソフラボンは植物に含まれている量は微量です。 豆腐・納豆・煮豆などに含まれているのはグリコシド型イソフラボンです。 分子量が大きいため、ち腸内細菌の酵素によって分解されないと吸収されません。しかも、腸内細菌には個人差があるため、吸収性にも個人差があります。

一方、アグリコン型イソフラボンは、大豆食品の中では唯一味噌に含まれています。 分子量が小さく、より早く効率的に吸収されます。 実は、エストラゲン様作用を持つ物質とされているのは、アグリコン型イソフラボンです。

一日に必要なイソフラボンの摂取量は40mg程度です。 これを味噌汁で摂取するとなると一日に15杯程度飲む必要があります。 効率的にイソフラボンを摂取するのであれば、アグリコン型イソフラボンが含まれているサプリメントを選んで摂取しましょう。過剰に摂取すると(5〜10g)副作用の危険もあるので、注意してください。妊娠中や整理中は、エストロゲンの分泌量が多くなっているため、控えた方がよいです。なお、豆腐1丁で植物性エストロゲンとして最大0.05mgの効力が期待できるようですが、吸収率の問題により、実際にはその10分の1以下とされています。 あまり多すぎると(5〜10g)副作用の危険もあります。過剰摂取にならないように注意しましょう。控えた法が良い時期は、妊娠中や生理中です。

〔亜麻リグナン〕

リグナンは、どちらかと言えば、抗酸化作用を持つ物質として知られていますが、同時にエストロゲン様物質でもあります。 亜麻の種子(フラックスシード)には、ライ麦の約50倍くらいのセコイソラリシネシロールジグリコシド(SDG)というリグナンが含まれており、植物性エストロゲンとしては大豆イソフラボンよりも強い作用があると言われています。


このSDGリグナンが更年期症状の一つであるホットフラッシュ(ほてり)を緩和することが確認されています。このSDGリグナンは、最近の研究で、エストロゲンの代謝物(カテコールエストロゲン)を増加させる働きを持つことが確認されています。

カテコールエストロゲンは、体温を調整する中枢を制御し、冷えすぎたり、ほてりすぎたりするのを防止します。エストロゲンの分泌量が減ると、カテコールエストロゲンの量も減り、体温を調整することができなくなり、冷えすぎたり、ほてりすぎたりする症状が起こります。従って、SDGリグナンを摂取すれば、ホットフラッシュが緩和されることになります。

一日に必要なリグナンの摂取量は20mg程度です。 北欧では日常的に亜麻の実がパンやクッキーの材料、あるいはデザートとして食されています。 日本でも、種子を搾った亜麻仁油(フラックスシード・オイル)やサプリメント、ペットフードなどとして販売されています。大豆イソフラボンと亜麻リグナンは同時に摂取すると相乗効果を期待できます。

〔大豆パワーでダイエット〕

大豆にはイソフラボンのほかに、レシチン、サポニン、ペプチドというダイエット効果や女性らしい体を作る効果が期待できる成分が含まれています。

《大豆レシチン》

大豆レシチンは、油分と水分を乳化作用によって混ぜ合わせて排出させる珍しい成分です。 この作用により、ダイエットの天敵であるコレステロールが血液中から運び去られ、血管への吸着が防止されます。 つまり、大豆レシチンには血液をサラサラにする効果が期待できます。

《大豆サポニン》

大豆サポニンには、小腸の絨毛の肥大を抑制し、正常に戻す働きがあります。 栄養素は絨毛から吸収されます。体重が増加すると、この絨毛が肥大し、より多くの栄養を吸収しようとします。 絨毛が正常に戻れば、余分な栄養・脂肪の吸収を遅らせることができます。つまり、大豆サポニンにはダイエット効果が期待できます。

《大豆ペプチド》

大豆ペプチドは、アミノ酸に比べて腸管からの吸収に非常に優れています。また、体内の基礎代謝を高め、脂肪の燃焼を促進します。 つまり、大豆ペプチドにもダイエット効果が期待できます。

〔バストアップ効果〕

女性の場合、思春期(二次性徴期)にバストが成長します。 これは女性ホルモンの分泌が活発になるためです。しかし、食事が偏っていたり不規則であったり、運動不足だったりすると、女性ホルモンの分泌が阻害され、バストの発育不良になることもあります。また、過度のストレスもバストの成長を止める要因の一つに考えられます。 一般的に、妊娠期また授乳期には乳腺が発達してバストが大きくなります。このことを鑑みれば、ホルモンバランスを整え、女性ホルモンの正常な分泌を促せば、バストアップすることも夢ではないかもしれません。


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