飲むヒアルロン酸

飲むヒアルロン酸について

既に化粧品や医薬外品、医薬品などでお馴染みのヒアルロン酸。これまでヒアルロン酸と言えば、体の外側から補給する[塗るヒアルロン酸]や[注入するヒアルロン酸]でした。今話題になっているのは、体の内側から補給する[飲む(食べる)ヒアルロン酸]です。

■ 飲むヒアルロン酸は保水性&弾力性たっぷり

人間の体を構成する細胞の数は60兆〜100兆個。それらの細胞は、細胞と細胞の間を埋めているムコ多糖類(Mucopolysaccharides)という物質に守られていますが、ヒアルロン酸はこのムコ多糖類の一種で、粘性があり、保水性に優れています。人間を含めた脊髄動物にしか存在しません。人間の体では、皮膚や関節液、へその緒(臍帯)、心臓の弁膜、大動脈、腎臓、眼球(硝子体)に存在します。ヒアルロン酸の粘度は、その濃度や分子量の大きさによって異なり、濃度が高く尚且つ分子量が大きいものは、ゲルのようにヌルヌルとしています。一方、水分をためこむ保水量はヒアルロン酸1gにうき6リットルもあります。ヒアルロン酸は各組織において、保湿性細胞間に水分をたっぷり蓄える働きや、弾力性によりクッションのような働きをしたり、粘性と滑らかさにより潤滑剤のような働きをしたりしています。皮膚の真皮においてはコラーゲンとエラスチンの隙間を埋めており、これがお肌のぷるぷる感につながる訳です。赤ちゃんの肌はヒアルロン酸(と同時にセラミド)を豊富に含んでいるので、ぷりぷりなのです。ヒアルロン酸は、保水力に優れているので、皮膚のうるおいを保つ化粧水や乳液、スキンクリーム、入浴剤などに使用されています。また、ヒアルロン酸には、保水力のほかにも免疫機能を正常化する機能があるので、間接機能改善剤や眼科手術補助剤、ドライ・アイの点眼剤などにも使用されています。ヒアルロン酸は、幅広い分野で利用され、優れた効果を挙げている物質なのです。

■ ヒアルロン酸 - マメ知識その1

ヒアルロン酸の発見は1934年。米国コロンビア大学教授カール・マイヤー(Karl Meyer)とジョン・パルマー(John Palmer)がまったく別の研究の過程において、牛の眼の硝子体から新しいグリコサミノグリカン(glyocosaminoglucan,GAG,ムコ多糖)を単離しました。牛の眼の硝子体から発見されたこと、また、ウロン酸を多く含むことから、ギリシャ語のHyaloid(硝子体)、多糖体の構造単位であるUronic acid(ウロン酸)で、Hyaluronic acid(ヒアルロン酸)と命名されました。1986年には多糖体の国際命名法によりHyaluronan(ヒアルロナン)という言葉が導入され、医療の世界で使用されています。

■ ヒアルロン酸 - マメ知識その2

ヒアルロン酸は、日本においては、高分子であり過ぎると小腸から吸収されにくいために低分子がよいとされています。一方、アメリカにおいては、低分子であり過ぎると水分をゲル状にする作用が100分の1以下になるために高分子がよいとされています。これは、日本では吸収という面から、アメリカでは効果という面から捉えているのに過ぎず、日本の低分子ヒアルロン酸の分子量とアメリカの高分子ヒアルロン酸の分子量はほぼ同じです。

 

■ ヒアルロン酸は肌の老化が気になりだしたら使いどころ

ヒアルロン酸は、アミノ酸(N−アセチルグルコサミン)を材料として体内で合成されるものですが、この体内でヒアルロン酸を合成する力とヒアルロン酸自体の量は、加齢とともに徐々に低下していきます。特に20歳を過ぎたころから顕著に減少します。
たとえば、大人の皮膚に含まれる量は、赤ちゃんの皮膚に含まれる量の20分の1、60歳になると赤ちゃんの4分の1と言われています。
みずみずしく、はりのあった肌が20代以降徐々にうるおいを失い、ひび割れ、たるみ、カサつき始める、つまり肌の老化が始まるのはヒアルロン酸の減少によるものなのです。また、体内のヒアルロン酸が不足すると、細胞が壊れやすくなり、細胞への栄養分も十分に行き渡らなくなります。
その結果、内臓全体が栄養不足に陥り、病気が発生しやすくなり、内臓萎縮も始まります。同様に、血管壁のヒアルロン酸が不足すると、動脈硬化が促進され、心臓の収縮力も低下し、機能自体も低下していきます。また、眼球や関節のヒアルロン酸不足が起こると、目が乾燥して痛くなったり、関節炎が生じやすくなったりします。このようにヒアルロン酸は、全身の細胞活性に大きく関わっています。加齢に伴うヒアルロン酸の減少を食い止めることがアンチエイジングの重要な鍵を握っていると言えます。
ところで、皮膚におけるヒアルロン酸の半減期は数日、表皮では1日とされています。同じく肌によいとされるコラーゲンの半減期が約1ヶ月であるのに対して非常に早い代謝スピードであることがわかります。このため、ヒアルロン酸は常時体内で合成されねばならないのです。
過激なダイエットによる栄養バランスの乱れもまた、ヒアルロン酸不足を招きます。年齢に関わらず、減少したヒアルロン酸を食品などから効率よく補給して、日頃から体内のヒアルロン酸をバランスよく維持していきたいものです。

■ ヒアルロン酸がもつ弱点とは?

ところが、ヒアルロン酸の分子量は非常に大きく、純粋なヒアルロン酸を経口摂取したとしても非常に吸収されにくいのです。
人間の皮膚に効率的に浸透することのできる分子量は通常3000以下、腸から吸収することのできる分子量は通常5000以下、と言われています。分子量が大きすぎる成分は、皮膚からの吸収率も腸管からの吸収率もよくありません。
コラーゲンの分子量が30万であるのに対して、ヒアルロン酸の分子量は、部位によって異なりますが、通常100万〜800万です。さらに、ヒアルロン酸を食事から摂取することはなかなか難しいことです。というのも、食品中におけるヒアルロン酸の量が非情に少ないためです。特に野菜や動物の可食部などにはヒアルロン酸はあまり含まれていません。ヒアルロン酸を含む食材としては、鶏のトサカ、フカヒレ、サメの軟骨、魚の目玉、豚足、海草のぬめり部分などが挙げられますが、家庭において身近な食材ではありません。
また、ヒアルロン酸には熱に弱いという性質があり、食品として加工するのも難しかったのです。このため、従来利用されるヒアルロン酸と言えば、[塗るヒアルロン酸]あるいは[注入するヒアルロン酸]だけでした。ところが近年になって、酵素分解による低分子化と、たんぱく質などとの共有結合によって安定化させる製法が開発されました。ここで初めて、[飲む(食べる)ヒアルロン酸]が登場したのです。
[飲む(食べる)ヒアルロン酸]は、高分子ヒアルロン酸を、体内から吸収されやすいように酵素分解し、低分子化したものです(低分子ヒアルロン酸)。ただし、低分子化しすぎると、濃度が下がり、ゲル化しにくくなるため、たとえば関節などに直接[注入するヒアルロン酸]は高分子ヒアルロン酸の方が効果的であると言われています。また、高分子の[塗るヒアルロン酸]については、真皮には届かなくても表皮には届くので、効果がない訳ではありません。長期間お肌の表面を保湿することによって弾力性が回復する可能性があります。体の外側と内側、両面からヒアルロン酸を補給すると、W効果を狙える...かも。

■ ヒアルロン酸が持つ相乗効果を狙え!

コラーゲンとエラスチン

ヒアルロン酸とともに、お肌を美しく保つ3大要素と言われているのが、コラーゲンとエラスチンで、このコラーゲンとエラスチンの隙間を埋めているのがヒアルロン酸なのです。
真皮層でエラスチンあるいはヒアルロン酸が減少すると、コラーゲンが損傷を受けて変質し、さらにエラスチンが減少します。その結果、お肌の弾力性が失われ、しわやたるみができるのです。ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、いずれも加齢とともに減少します。これら3つの成分ををあわせて補給すれば、相乗効果を期待できます。

レチノール

レチノールとはビタミンAの前駆体です。体内に消化吸収される時にビタミンAに変化します。レチノールには、紫外線による老化やシミ・シワの原因に有効な働きがあります。レチノール自体には、真皮層でのヒアルロン酸・コラーゲンの合成を促進する効果はありませんが、レチノール誘導体は、皮膚の細胞に取り込まれてヒアルロン酸の合成を促進し、表皮での水分量を増加させます。

ビタミンCとビタミンE

ビタミンCは、コラーゲンの合成促進や抗酸化作用などアンチエイジングに有効な働きを持っています。一方、ビタミンEには、老化の原因に関係する活性酸素を除去し、細胞を守る抗酸化作用があります。どちらもヒアルロン酸との相性は抜群です。表皮にあるヒアルロン酸は、紫外線などによる活性酸素の影響を受けると約1日で半分に減ってしまう性質を持っています。抗酸化作用のあるビタミンC,ビタミンEなどと一緒にヒアルロン酸を摂取すると効果的です。

植物性エストロゲン

お肌の老化の原因には、紫外線のほかにも女性ホルモン(エストロゲン)の減少が挙げられます。エストロゲンはヒアルロン酸やコラーゲンの合成を活性化します。同様に、エストロゲン様作用物質である植物性エストロゲン(たとえば大豆イソフラボン)も真皮層のヒアルロン酸やコラーゲンの代謝を活性化し、肌に弾力を持たせる作用を期待することができます。

NMFとセラミド

角質層の保湿機能とバリア機能の低下もお肌の老化に関係します。角質層の天然保湿因子(NMF, Natural Moisturizing Factor)やセラミドをバランスよく補給すると、ヒアルロン酸との相乗効果も期待できます。

※なお、コラーゲンやレチノール、ビタミンC・Eだけを補給しても、ヒアルロン酸が不足していてはお肌の保水性や弾力性は回復しません。サプリメントやヒアルロン酸吸収食品(及び化粧品)などを選ぶ際には、これらの成分が配合されているものを選びましょう。肌を再生して、肌年齢が若返ったら、赤ちゃんのようなぷるぷる肌も夢ではないかもしれません。

低分子ヒアルロン酸ウラ事情

ヒアルロン酸吸収用食品の一つ、ECM・Eは、アダプトゲン製薬株式会社によって平成3年10月21日に出願、同10年6月5日に登録された特許「ヒアルロン酸吸収用食品及びその食品の製造方法」(特許第2787254号)に基づく成分(あるいは技術)ですが。平成13年9月28日同特許についての無効審判が請求され、同15年7月14日アダプトゲン製薬株式会社は同特許についての明細書の訂正を請求、同16年4月21日特許庁は同特許についての訂正を認めた上で同特許の無効を審決しました。これに対してアダプトゲン製薬株式会社は無効とする審決の取消しを求めましたが、同17年3月1日東京高等裁判所はアダプトゲン製薬株式会社の請求を棄却しました。


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