ブロッコリースプラウト

ブロッコリースプラウトについて

■ ブロッコリースプラウトとは

近年スーパーなどで、カイワレ大根やアルファルファ以外のスプラウトが多数出回るようになりました。ブロッコリー、マスタード、レッドキャベツ、ヒマワリ、ソバ、クレソンなど、目にすることも多いでしょう。 中でも、多くのビタミン類やミネラル類など栄養分も豊富な上に、ガンを予防する効果があるということで最近話題になっているのが、ブロッコリーの新芽「 ブロッコリースプラウト 」です。

■  栄養たっぷり、スプラウト

スプラウト ( sprout )とは、英語で[植物の新芽]を意味し、種子や豆を発芽させた新芽の総称です。日本で最もよく知られているスプラウトは、モヤシやカイワレ大根でしょう。
スプラウトの人気の理由は、一年中安定して入手できること、比較的価格が安いこと、家庭でも簡単に栽培できること、ビタミン類やミネラル類を豊富に含んでいること、少量でより多くの有効成分を摂取することができること、生で食べられるので調理が簡単であること、などが挙げられます。

植物の種子は、適当な温度,水,光の条件が揃うと発芽しますが、このとき、植物ホルモンや酵素が活性化し始め、種子の状態では存在していなかったビタミン類,たんぱく質,ミネラル類を生成すると言われています。つまり、スプラウトにはこれから成長していくために必要な栄養素が凝縮されているのです。たとえば、えんどう豆を発芽させた豆苗(とうみょう)の栄養価は、カロテンはえんどう豆の8.3倍,ビタミンKは6.8倍,ビタミンEは3.5倍,ビタミンB2は2.7倍含まれています(五訂食品成分表より)。

スプラウトは、大別すると、種子から発芽させて全体を食べるタイプのもの(もやしなど)と、発芽して葉が開いたものの根を切って葉と茎を食べるもの(カイワレ大根など)とに分かれます。ブロッコリースプラウトはこの中間になります。

■  ブロッコリースプラウトの人気のヒミツ

アメリカでは早くも1930年代に食生活(あるいは食習慣)とガンとの関連について研究が進められていましたが、1982年、アメリカ国立科学アカデミー(National Academy)が『食と栄養とがん(Food, Nutrition, and the Prevention of Cancer)』という報告書の中で、食習慣を改善すればガン予防に繋がると報告しました。この報告書によって、がん予防にとってのマイナス要因は、カロリー,脂肪,塩分の過剰摂取や高温過熱であること、一方、同じくプラス要因は、食物繊維,抗酸化ビタミン類,カロチノイド類,グルタチオン,リン脂質,イオウ化合物,フェノール類などであることが示されました。

 

この報告書は、世界中の研究者に多大な影響を及ぼし、1990年、アメリカ国立がん研究所(NCI,National Cancer Institute)を中心にスタートした「デザイナーフーズプロジェクト(Designer Foods Project,野菜や果物によるガン予防計画)」の骨子にもなりました。デザイナーフーズとは、「がん予防を目的としてデザインされた,植物成分を基礎的に含む食品」を意味します。

こうした中、アメリカのボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス医科大学(Johns Hopkins University School of Medicine)のタラレー博士(Dr. Paul Talalay, M.D.)が、1992年、アブラナ科(Crucifera)の野菜に多く含まれる[ スルフォラファン ( sulforaphane )]という成分に、腫瘍の形成を抑制する効果があること、[スルフォラファン]の前駆物質である[グルコシノレート(glucosinolates,からし油配糖体) ]がアブラナ科の野菜の中でも特にブロッコリーに豊富に含まれていることを発表しました。中でも、[スルフォラファン]には、体内にある解毒酵素を活性化させる作用があります。[スルフォラファン]は、[イソチアネート(isothiocyanate)]の一種で、[グルコシノレート]が酵素[ミロシナーゼ(myrosinase)]の加水分解作用によって変化して生成されたものです。
タラレー博士は、さらに、ある特定品種のブロッコリーの発芽3日目の状態で、[スルフォラファン]が、普通のブロッコリーの20〜50倍も含まれていることを確認し、このブロッコリーの発芽3日目の新芽を[ スーパースプラウト ]と名付けました。つまり、スーパースプラウト50gを食べることはブロッコリー1kg分を食べることに等しいのです。

栄養豊富でガン予防にも効果的。これがブロッコリースプラウトの人気のヒミツなのです。

■ スルフォラファンのその他の効果

ピロリ菌の除去

2002年5月、ジョンズ・ホプキンス医科大学とフランス国立化学研究センターの研究グループによって、「ブロッコリーやスーパースプラウトに含まれるスルフォラファンにはピロリ菌を殺菌する作用がある」と発表されました。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ,Helicobacter pylor;H.pylori)は、胃や十二指腸の粘膜に寄生し、慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍の主要な原因となる細菌で、40歳以上の日本人の8割以上が感染していると報告されています。
ピロリ菌の除菌は通常抗生物質を使用します。このため、耐性菌(抗生物質の効かない菌)を作る可能性があり、既に抗生物質の一部に対する耐性ピロリ菌が出現しています。また、腸内の善玉菌も影響を受けるため、約半数に下痢がおこります。
ピロリ菌の感染経路は未だ解明されていませんが、ピロリ菌の研究が進むにつれ、ピロリ菌を減らす食品があることが次第に明らかになってきています。ブロッコリースプラウトのほかには、ココアの脂肪成分や梅肉エキスなど。

新陳代謝アップ

新陳代謝には、体内で生産されるグルタチオン(glutathione)が重要な役割を果たしています。
グルタチオンは、グルタミン酸(glutamic acid)、システイン(cysteine)、グリシン(glycine)などのアミノ酸から成るトリペプチド(tripeptide)で、活性酸素の除去、細胞内の毒素の掃除、細胞を生み出す際のDNAの原料になる、といった役割を担っています。また近年、グルタチオンには皮膚を保護し、免疫機能の低下を防止し、紫外線を防御する働きもあることが明らかにされています。
スルフォラファンにはこのグルタチオンの生産を促進させる作用があり、新陳代謝の改善に寄与すると考えられています。新陳代謝が高まれば、美肌効果やアンチエイジング効果なども期待できます。

このほか、ブロッコリースプラウトには、食物繊維も豊富に含まれており、整腸作用があります。また、コレステロールを減らしたり、血糖を下げたりする効果もあります。

■ ブロッコリースプラウトを美味しくいただこう!

どのスプラウトも鮮度が命です。
ブロッコリースプラウトは、みずみずしく、シャッキリしているもの、大きさがそろっているもの、茎の太さや背丈が均一なもの、葉に黒点がないものを選びましょう。なお、黄色の葉は緑化前の状態なので古くなったものではありません。
スルフォラファンは、熱に強いのですが、茹でると揮発してしまいます。ブロッコリースプラウトは生で食べるか油で炒めて食べるとよいでしょう。ただし、生で食べた方がより吸収率が高まると言われています。また、スルフォラファンと大豆レシチンを一緒に摂取すると、吸収率を高めることができるとも言われています。
ブロッコリースプラウトは、カイワレ大根ほど辛味がなく、生であっても、子どもやお年寄りにも食べやすいでしょう。サラダ、和え物、付け合せ、納豆や豆腐の薬味、刺し身のツマ、などなど、食生活に積極的に取り入れたいものです。

■ スプラウトを育ててみよう!

スプラウトは実は自分で簡単に栽培することができます。日当たりが多少悪くても、狭い場所でも、短期間で育ちます。ブロッコリースプラウトの栽培キットはスーパーでもネットショップでも購入できます。なんと、100円ショップで販売されている栽培キットは、2種類の種のほかにスポンジと容器付き。食べる楽しみと育てる楽しみを味わえます。

準備するもの

育てる場所

室内で育てます。適温は20〜25℃。温度が低すぎると成長が遅く、逆に温度が高すぎると発芽しないことがあります。冬は日当たりの良いところに置き、夏は直射日光を避けた方がよいでしょう。夜間に冷えるときは暖かいところに置いたり、大きめのビニール袋を被せたりするのもよいでしょう。 なお、日光の当たらない場所で栽培したものは葉が黄色っぽい色になりますが、日光に当てれば緑色に変わります。

育て方

  1. 種をぬるま湯に2〜3時間程度浸けます。
  2. 容器の底にスポンジまたは脱脂綿を敷きます。
  3. 種をまんべんなく敷き詰めます。
  4. 種が軽く浸かる程度に水を入れます。水を入れすぎないように。
  5. 2〜3日で発芽します。
  6. 発芽したときに、根に白い毛がでているものがあれば、水をかけます。
  7. 1週間程度で食べられる大きさに成長します。

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